■富士山撮影手記■
◆2003年01月18日(日)撮影(晴れ) EOS1D SIGMA28mmF1.8◆
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昨年末から年始にかけて2回目の富士山撮影。早朝の富士の撮影は前日の午
前0時頃から撮影ポイント周辺(今回は河口湖IC周辺)に車で移動し、車内
で仮眠をとり撮影に入る。毎回出かける際に早朝の天気と温度を確認し、カメ
ラ機材および防寒具のチェックをしてから出発。途中でガソリンを満タンにし
中央高速の調布ICより河口湖へと向かう。この富士撮影は期待と不安と孤独
感のような物をいつも感じながらの出発となる。途中、中央高速の談合坂サー
ビスエリアで遅い/早い?食事をとり早朝、体力が続くようエネルギーを補給
する事にしている。
この時期の本栖湖周辺の早朝の温度はマイナス7度〜マイナス2度位でエン
ジンを停止した車内での仮眠は寝袋あるいは防寒着を着込みさらに毛布などに
くるまる必要がある。今回は写真仲間との撮影で河口湖ICを左折して300
m程先にあるジョナサンという24時間営業のレストランの駐車場で待ち合わ
せ。先に移動し仮眠をして仲間を待つ。皆待ちきれない様子で5時の集合時間
にもかかわらず、4時頃には皆集まり4時半には目指す本栖湖に向かうことに
なった。外気温は河口湖でマイナス2度前後で車での移動は路面の凍結に注意
をしなければならない。特に青木ヶ原の樹海を左手に見る直線路およびその先
の曲がりくねった所は注意を要する。
約30分程の移動で見慣れた本栖湖交差点にたどり着き右折する。撮影ポイ
ントまであと5分前後。まだ5時前であたりは闇に閉ざされ車の照らすヘッド
ライトのみが道先を案内する頼みの綱。曲がりくねった湖畔の道を走りながら
ヘッドライトに照らし出される景色とエンジン音が妙にあたりの静寂さを強調
し、車はひたすら闇を切り裂きながら進んでゆく。撮影ポイントに数分で到着
。年末は車と人で賑わいを見せていた撮影ポイントも今はひっそりと誰もいな
い。
早速車より撮影機材を取り出しまず三脚のセッティングにかかる。本栖湖を
前景に富士山を臨み左右の小高い山をうまくフレーミングできる場所を探す。
今回の使用予定のレンズはSIGMAの28mmF1.8マクロ。前回はEF
50mmF1.4を主体に撮影したので今回は広角。28mmでもやや広いな
と感じ入るが35mmはあいにく持っていないので次回の宿題とする。カメラ
のセッティングをしつつレンズのフォーカスモードをAFからマニュアルに切
り替え、あらかじめ事前に確認してある無限遠の位置にフォーカス目盛りをあ
わせる。最近のAFレンズは無限遠でも幅を持たせているものが多く、このレ
ンズも例外に漏れず幅があり、少しでも目盛りがずれているとピントがはずれ
てしまう。特に早朝、絞りを開けての撮影時に注意を要する。
さてこれで一応準備が整い5時半頃から撮影体制にはいる。まだ撮影するに
は暗く都会ではとてもお目にかからないくらい星が瞬いている。絞りF2.0
でもシャッタースピードは30秒以上の表示が点滅するばかり。デジタルは一
般的に長時間露光時にノイズ発生があり、EOS1Dもその例外ではない。ノ
イズリダクションのSWはONにするが露光時間分の後処理があり30秒以上
のシャッターを切るのがためらわれる。少し待つこと6時頃から星の数は変わ
らず、空が少し明るくなってくる。20秒前後の露光で試し撮りを開始。モニ
ターに表示される絵とヒストグラムを確認しながら露出補正値を決める。ファ
ーストショットは少し明るかったので夜明けの暗い雰囲気を出すためにマイナ
ス1の補正をかけ再度撮影。今度はモニターで確認する限りOK。ただヒスト
グラムの分布はかなり左より。

夜明けの進み方はとても早い。見る見る漆黒の中から富士山のシルエットが
現れて来る。空は濃いブルーから徐々に薄いブルーに変わり始め次第に富士山
の麓が赤らんでくる。6時半頃よりにわかに撮影ショット数が増えてくる。デ
ジタルカメラ(一眼レフ)は風景の撮影であってもシャッターチャンスを多く
残すという意味でとても威力を発揮する。その一番の理由はフィルムと違い一
気に200枚以上(メモリーカード容量に依存)の駒を撮影出来ること。フィ
ルム交換が無い。(メモリーカードの交換のみで抜き差し簡単)良いと思う状
況で躊躇無くシャッターを存分に切ることが可能。もちろん出来るだけ無駄な
ショットは減らすに越したことはない。

1月18日は早朝雲一つ無い快晴で満天の星空を背景に威風堂々富士山がそ
の存在感をたたえる。6時半過ぎ頃から富士山の斜め左上方に雲が現れ始め、
自然の営みが絵造りを始めてくれる。やはり富士山の撮影には雲は不可欠で、
盤石な地盤にそびえ立つ不動の富士に対して、変幻自在に変わる雲はその対比
に於いてとても魅力ある存在。雲は見る見る成長し、形を刻一刻と変え富士の
表情を豊かにする。日の出前、太陽の光に雲が反射し、かすかに色味が付き始
める。朝焼けといわれる一番美しいひと時。

本栖湖からの撮影で楽しいのは、雲と同じく表情豊かにその形を変える湖面
。あるところは鏡のように富士山を綺麗に映し出し、他のところはさざ波。ま
たあることろは氷で覆われている。早朝の冷え込む時間帯はとても表情豊か。
条件によっては、湖面に霧が発生し朝日を受け止め紅色に湖面を染めることも
ある。今回は運良く、7時15分の日の出以降、霧が発生しとても風情ある情
景が作り出された。

富士山には不思議な魅力があり、その魅力に取り付かれた多くの写真家が長
年富士山を撮影している。思うに富士を取り巻く気象条件は変化に富み、そび
え立つ不動の富士に対して変幻自在の化粧をしてくれる。富士山の見せる表情
に同じ物は無く、常に新たな自然の力を与えてくれるかのような変化を提供し
てくれる。撮影毎に新鮮味がある存在。そんな所に惹かれるカメラマンは数多
いのだと思う。
そのような事をつらつら考えながら終盤の撮影を8時頃に終える。機材の片
づけをし撮影の手応えを実感しつつ次の目的地(忍野)へ向かう。(続く)
〇使用レンズ
SIGMA 28mmF1.8Macro
〇カメラ:
EOS1D
〇撮影条件
ISO100
RAWで撮影
LinearでTIFF16変換後レタッチ
レタッチ後8bitに変換してJpeg出力
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2003.01.18 富士山
池田 肇
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